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子なし要件を暴力的に突破しようとする人たち
子供がいるにかかわらず、男→女の性別変更を申請した人がいる、という報道がありました (朝日新聞の記事、読売新聞の記事)。特例法では子供がいないことが要件となっているため、もし、特例法による申請を行なっているのなら認められないことは明らかでしょう。なので、(特例法以前にあった) 戸籍記述の訂正という手法を使っているものと思われます (報道ではどちらか分からなかった)。それでも、前例から言って認められる可能性はほぼゼロでしょう。
わたしも「子なし要件」を削除するという方向には賛成ですが、いきなり家庭裁判所に申請してしまうというやり方は嫌いです。マスコミに取り上げてもらって世論を動かそうという考えなのでしょうが、多くの人々が「なぜ子なし要件ができたか」を理解してないと予想できるから可能な手法なので、世間の人をバカにしています。子なし要件ができた理由は、(上記リンク先の玖伊屋辞書にも書いてある通り) 戸籍制度の存在や同性婚が認められてないことが原因ですが、みながこういう事情をよく知っていれば、法律改正に同意してくれる人は激減するでしょう。「子なし要件撤廃を認めることは同性婚を認めることになる」と分かれば、猛反対が出るに決まっています。
もっと口の悪いことを言えば、明らかに認められないと思われる申請をするのは、裁判所に無駄な仕事をさせていることになります。つまり、税金のムダ使いです。いっそのこと、申請自体を (棄却じゃなくて) 「却下」してしまえばいいのに;-)
むしろ、レズビアン・ゲイの当事者と組んで、同性婚を認めさせる運動をする方が近道ではないでしょうか。そう、憲法24条と民放の改正をするのです!! この運動は茨の道ですが、実れば利益は非常に大きいし、運動してくれる人の数も多いので有利だと思います。