Yuriko.Net 個別記事

くりでん乗り納め
旅行2日目は今回のメインと言うべき「くりでん」ことくりはら田園鉄道の乗車です。廃止が決まっている路線にあわてて乗りに行くのは好みではないのですが、一度は見ておいた方がいい路線だと考えて、ぎりぎりにならない程度に乗っておくことにしました (くりでん写真集)。
天気はあいにく雨。予想通り、鉄道ファンと思われる人が多かったのですが、地元の家族連れと思われる人も多く見られました。湿気で窓ガラスが曇ってしまい、外の景色は楽しめなかったり、写真撮影もままならなかったのは残念なことでした。路線名称に違わず風景は田んぼだらけ。市街地の中を通ってないので、貨物輸送なき今は廃止されても仕方ないかもしれません。
でも、栗駒駅近所の「みちのく風土館」で開かれていた「第3回・くりでんの歴史展」を見て考えが少し変わりました。貨物輸送用として計画されたものの、栗原市の発展を考えて旅客輸送にも力を入れていたことが分かったためです。栗原市内を縦横に張り巡らす路線計画があったり、奥羽本線の院内まで伸ばす計画 (のちに湯沢までの延長に変更) があったりしました。また、栗鉄と国鉄との連絡運輸もしていて、栗駒〜東京都区内の常備券もあったようです。これらを見ると、栗原の発展のための鉄道だったということが伝わってきて、廃止されるのがもったいなく思ってしまいました。
しかし、東北新幹線が開通して「くりこま高原駅」が比較的市街地に近いところにできてしまったし、細倉鉱山が閉鎖されて貨物輸送も終了したことが、栗鉄の命運を断ってしまいました。特に新幹線の影響は大きかったでしょう。くりでんの路線が市街地の中心を走っていれば新幹線との連絡駅もできたでしょうが、現在の路線では新幹線駅を大前付近に作ってもあまり意味がなく、廃止はやむなしと思います。
むしろ、あえて廃止を受け入れて、その後は NPO などが観光目的の「保存鉄道」として維持した方がいいでしょう。これは鹿島鉄道にも言えることです。古い設備が残っているだけに、現役の鉄道として残そうとして近代化してしまう方がまずいと思えるからです。