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2010-03-13

「法林浩之的ITコミュニティ運営論」を聴講して
3月13日(土)に開催されたオープンソースカンファレンス神戸で、「法林浩之的ITコミュニティ運営論」というセミナーを受講しました。20年に渡ってITコミュニティーを運営してきたノウハウが詰った内容でした。以下、わたしなりにまとめておきます。詳しくは動画を見ましょう。
- 他団体との積極的な交流
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- 同業コミュニティーを集めたイベントはおもしろい
- 例: Internet Wook, LL イベント, 関西オープンソース, オープンソースまつり、Gadget 1
- 人はアウェイで成長する。個人もコミュニティーも外部と交流して刺激を得よう
- 制限しない
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- 団体名などにとらわれて活動にしばりを入れない
- ガジェットも UNIX 系OSだからいいや、etc
- 「大阪大学フォークソング同好会」では誰もフォークなんかしてなかった
- 定義しない
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- エンジニアは定義したがる
- イベントやコミュ運営では整然としたルールでは説明できない事象が多い
- 人によって対応を変えなくてはいけない
- 機械的な多数決では決められない
- KOF の開催当初は「Freeware」という名称でモメた
- Lightiwetight Language イベントは「LL言語」を厳密に定義していない
- コミュニティーは持ち寄り
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- 各自が、人/モノ/金を持ち寄って運営
- 持ち寄ったものはそこで消費される
- 提供者に対価を払うことを目的としていない
- 例: JUNETジンギスカンパーティー における「J2スピリット」
- 例: jus の財政は、年会費で事務局を運営しイベントは行事ごとに収支均衡
- 粘り強く
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- 構築は瞬発力。運用は持久力
- 開発系の人は、瞬発力はあるが続かないことが多い
- 継続はマンネリとの戦い。マンネリを防ぐ工夫を
- 例: LL イベントは毎年名称/ロゴを変えている
- 懇親会ネタ
- 懇親会の会費は業界によって違う。OSS系は4000円を上限にしないときつい。ネットワーク系は6000円ぐらいでも平気。それだけ高給取り
「JUNET ジンギスカンパーティー」が事例に登場したのはびっくりしましたが、全般に共感できる内容でした。「コミュニティーは持ち寄り」というのは、わたしもWordBench やカフェ玖伊屋で実践していて気がついていましたが、「制限しない」「定義しない」についても、「そういえばそうなっているな」と感じました。WordBench は「WordPress に興味がある/使っている」だけが参加条件ですし、カフェ玖伊屋も「性的マイノリティーに理解があるなら誰でも参加していい」宴会です。
ただ、それだけに「人付き合いが得意」「会話が上手」じゃないと長く続けられないのかもしれません。人見知りしてしまったり、会話が下手だと、コミュニティーには馴染めず、孤立してしまうのかも。
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