今年は、JR紀勢本線が開通して70周年だそうです。それを記念して各種イベントがありますが、その中で、全96駅を対象とした「ウルトラ駅名しりとりラリー」が開催されています。
- 駅の範囲は、紀勢本線内にある駅を対象とします。(亀山駅〜和歌山市駅、全96駅)
- スタートはどの駅から開始にしても構いません。
- 濁音の付いている駅名は濁音なしに変えても構いません。(例) 見老津「みろづ」と読みますが「みろつ」と読んでも構いません。
- 駅名の中に「紀伊田原」駅のように「紀伊」が頭に付いた駅名の場合は、「紀伊田原」
または「田原」と読んでも構いません。 - 同じ駅名を2回使うことはできません。
以前、都営交通のしりとりスタンプラリーを考察したことがありましたが、今回は「紀伊」を付けたり外したりが可能という特殊ルールがあるのが難しいですね。さすがに全96駅を辿るのは無理だと思いますが、最長コースが何なのか、検討してみましょう。賞品として「21駅以上踏破された方」が対象のものがあるので、おそらく21駅は回れるのだと思います。応募用紙には32駅分のスペースがあるので、33駅を越えたいところですね ;-)
まず、全96駅を、頭文字・末尾文字でソートしましょう。この書体は、しりとり終端駅です。この書体は先頭のみ可能駅です。
頭文字順
- あ (6/8) ※先頭しかあり得ない
- 阿漕, 阿曽, 相賀, 新鹿, 有井, 阿田和, (紀伊)有田, 朝来
- い (5/7)
- 一身田, 伊勢柏崎, (紀伊)市木, (紀伊)井田, 岩代, 印南, 稲原
- う (3/5)
- 梅ヶ谷, 鵜殿, 宇久井, (紀伊)浦神, (紀伊)内原
- え (1)
- 江住
- お (2/5) ※先頭しかあり得ない
- 相可, 大内山, 尾鷲, 大曽根浦, 大泊
- か (4/6)
- 亀山, 川添, 賀田, (紀伊)勝浦, 加茂郷, 海南
- き (10/20) ※うち「紀伊」付きが17駅
- 紀伊長島, 紀伊市木, 紀伊井田, 紀伊佐野, 紀伊天満, 紀伊勝浦, 紀伊浦神, 紀伊田原, 紀伊姫, 紀伊有田, 紀伊日置, 紀伊富田, 紀伊新庄, 紀伊田辺, 切目, 紀伊内原, 紀伊由良, 紀伊宮原, 紀三井寺, 紀和
- く (4) ※先頭しかあり得ない
- 九鬼, 熊野市, 串本, 黒江
- こ (3)
- 神志山, 古座, 御坊
- さ (1/2)
- 佐奈, (紀伊)佐野
- し (6/7)
- 下庄, 新宮, 下里, 白浜, (紀伊)新庄, 下津, 冷水浦
- す (1)
- 周参見
- た (4/8)
- 高茶屋, 多気, 滝原, 太地, (紀伊)田原, 田並, 田子, (紀伊)田辺
- つ (2)
- 津, 椿
- て (1)※先頭しかあり得ない
- (紀伊)天満
- と (3/4)
- 徳和, 栃原, (紀伊)富田, 道成寺
- な (1/2)
- (紀伊)長島, 那智
- に (1)
- 二木島
- は (2/3)※先頭しかあり得ない
- 波田須, 芳養, 初島
- ひ (1/3) ※先頭しかあり得ない
- (紀伊)姫, (紀伊)日置, 広川ビーチ
- ふ (2)※先頭しかあり得ない
- 船津, 藤並
- ま (1)
- 松坂
- み (6/9)
- 三瀬谷, 三野瀬, 三木里, 三輪崎, 見老津, 南部, (紀伊)宮原, 箕島, 宮前
- ゆ (3) ※先頭しかあり得ない
- 湯川, (紀伊)由良, 湯浅
- ろ (0/1)
- 六軒
- わ (4)
- 和深, 和佐, 和歌山, 和歌山市
末尾文字順
- い (1/2)
- 有井, 宇久井
- う (5)
- 下庄, 新宮, 紀伊新庄, 御坊, 加茂郷
- え (2/3)
- 川添, 黒江, 宮前
- か (2/5)
- 松坂, 相可, 相賀, 新鹿, 和深
- き (6/8)
- 阿漕, 多気, 伊勢柏崎, 九鬼, 紀伊市木, 三輪崎, 紀伊日置, 椿
- こ (1)
- 田子
- さ (2/3)
- 古座, 和佐, 湯浅
- し (3/4)
- 熊野市, 太地, 道成寺, 和歌山市
- す (1)
- 波田須
- せ (1/2) ※終端しかあり得ない
- 三野瀬, 尾鷲
- そ (0/2) ※終端しかあり得ない
- 阿曽, 朝来
- た (4)
- 賀田, 紀伊井田, 紀伊有田, 紀伊富田
- ち (1/2) ※終端しかあり得ない
- 那智, 広川ビーチ
- つ (3/4)
- 津, 船津, 見老津, 下津
- と (2/3)
- 三木里, 下里, 串本
- な (1)
- 佐奈
- に (2)
- 三瀬谷, 梅ヶ谷
- の (2) ※終端しかあり得ない
- 鵜殿, 紀伊佐野
- へ (2) ※終端しかあり得ない
- 紀伊田辺, 南部
- ま (8/10)
- 亀山, 大内山, 紀伊長島, 二木島, 神志山, 紀伊天満, 白浜, 箕島, 初島, 和歌山
- み (5/6)
- 紀伊浦神, 田並, 江住, 周参見, 印南, 藤並
- め (2) ※終端しかあり得ない
- 紀伊姫, 切目
- や (1/2) ※終端しかあり得ない
- 高茶屋, 芳養
- ら (10/11) ※終端しかあり得ない
- 栃原, 滝原, 大曽根浦, 紀伊勝浦, 紀伊田原, 稲原, 紀伊内原, 紀伊由良, 紀伊宮原, 冷水浦, 紀三井寺
- り (0/1)※終端しかあり得ない
- 大泊
- ろ (1)
- 岩代
- わ (2/4)
- 徳和, 阿田和, 湯川, 紀和
- ん (3)※終端しかあり得ない
- 一身田, 六軒, 海南
頭文字と末尾文字が同じ駅
- き
- 紀伊市木, 紀伊日置
- つ
- 津
まったくしりとりできない駅
- 阿曽, 朝来, 尾鷲, 大曽根浦, 大泊, 芳養, 広川ビーチ
最長しりとり考察
まず、96駅から、しりとり不可駅7駅は除外しましょう。それから、先頭しか使えない駅17駅 (しりとり不可駅と「紀伊」駅除く) と、末尾しか使えない駅22駅 (しりとり不可駅除く) を抜くと、50駅残ります。ここに先頭のみ可能駅と末尾のみ可能駅を1つずつ足すと、52駅となります。これを越えるしりとりはあり得ないことになります。
次に、50音の各文字について、接続可能性を考えていきます。先頭のみ可能・末尾のみ可能な駅を除いて、50音の各文字についてしりとりが可能な回数を数え上げますと、36回 (37駅) となります。ここに、先頭のみ可能駅、末尾のみ可能駅をくっつければ、39駅のしりとりが可能かもしれません。
文字 | 回数 | 接続例 |
---|---|---|
い | 1 | 宇久井→印南 |
う | 3 | 新宮→宇久井/加茂郷→梅ヶ谷 |
え | 1 | 宮前→江住 |
か | 2 | 松坂→賀田/和深→加茂郷 |
き | 6 | 椿→紀伊日置→紀伊市木→(紀伊井田,紀伊有田,紀伊富田) |
こ | 1 | 田子→古座 |
さ | 1 | 古座→佐奈 |
し | 3 | 和歌山市→(下庄,新宮,(紀伊)新庄) |
た | 4 | (紀伊井田,紀伊有田,紀伊富田)→多気 |
つ | 2 | 見老津→津→椿 |
と | 2 | 三木里→徳和/下里→道成寺 |
な | 1 | 佐奈→(紀伊)長島 |
に | 1 | 三瀬谷→二木島/梅ヶ谷→二木島 |
ま | 1 | 紀伊長島→松坂/二木島→松坂 |
み | 5 | 印南→宮前/江住→三木里/紀伊浦神→見老津 |
わ | 2 | 徳和→和深/紀和→和歌山市 |
そして、実際の組み合わせを検討していけばよさそうですね。あとはコンピューターを使うなり、手計算するなりで考えてみましょう。接続駅の多い文字である「き」「た」「み」をどう使うかが鍵となりそうです。でも、少なくとも、39駅を越えるしりとりは不可能と判明したので、応募用紙は 8×5 マスの40駅にしとけばよかったのに ;-) ひょっとすると、32駅を越えるしりとりが不可能と算出ずみだったりする??
[追記] 39駅は無理と判明しました。まず、「に」で始まる駅は1駅のため「に」で終わる駅は三瀬谷と梅ヶ谷でどちらか片方しか使えませんが、それぞれ「み」「う」のしりとり回数に影響しているため、片方しか使えないならばしりとり回数が1回減ります。次に、「ま」の接続は1つしかない (松坂駅) のですが、その前に「佐奈→紀伊長島」を持ってくると、二木島駅が使えなくなり「に」接続のしりとりが1回減ります。「二木島→松坂」というパターンにすると、「佐奈→紀伊長島」のみが可能な「な」接続ができないためしりとり回数が1回減ります (「佐奈→那智」は、那智が末尾専用駅なので途中のしりとりパターンとしては計上できません)。いずれにせよ、都合2回減って、最大のしりとり回数は34回となり、駅数は37駅です。他の制約条件により、末尾は二木島、紀伊長島、または那智に決定されます。
実際にいろいろ検討してみると、37駅のしりとりを作ることができました。紀勢本線のダイヤを検討しなければなりませんが、1日で回るのはかなり難しいでしょうね。宿泊するぐらいならばレンタカーで回った方が安いわけですが、それはそれで嫌な話ですし……。
[さらに追記] 最長しりとりにおいて、起点と終点である亀山と和歌山市を入れられるかどうか検討してみましょう。まず、和歌山市駅は「わ」接続のしりとりで入れることが必須となっています。次は亀山駅ですが、「ま」接続では、「紀伊長島→松坂」または「二木島→松坂」が必須のため、亀山を途中に入れることはできません。紀伊長島→松坂パターンにおいて亀山を末尾にするならば、二木島を末尾にできないため三瀬谷と梅ヶ谷の両方が使えず、「み」「う」の両方のしりとり回数が減って最長より1回少なくなります。二木島→松坂パターンで亀山を最後にすると、(古座, 和佐)→佐奈→紀伊長島のしりとりが不可となり「さ」「な」接続で2回しりとり回数が減って、最長より1回少なくなります。結局、亀山を含めると37駅しりとりは不可能となります。36駅だったら可能かもしれませんが。亀山の隣の「下庄」は入れられるので、それで勘弁してください ;-)
[さらに追記] 「紀伊」を読み飛ばす特別ルールを使用しなかったら、どうなるか検討してみましょう。この場合、(紀伊)浦神が使えないことで「う」接続ができないこと、(紀伊)長島が使えないことで「な」接続ができないことが影響してきます。後者は、二木島→松坂パターンにすれば回避できますが、紀伊浦神は無理なので、36駅のしりとりとなりそうです。あまり大勢に変化ないので「紀伊」を読み飛ばすルールはなくてもよい気がしますが、地元では紀伊を抜いた駅名が日常利用されているのかもしれず、それに配慮したのかもしれませんね。